宿泊業

株式会社 和銅鉱泉旅館様 ジャッジプライス導入のお声

今回取材させていただいたのは、埼玉県に本社を置き、ジャッジプライスを導入いただいている株式会社 和銅鉱泉旅館様です。
支配人の島﨑様に、ジャッジプライス導入の経緯と、実際に導入されてみての変化を伺いました。

INTERVIEWEE
支配人 島﨑 伯人様

ジャッジプライス導入の経緯

導入検討時に抱えていた課題を教えてください。

宿泊料金の設定は、平日・土曜・特日・年末年始の4パターンで販売していたのですが、ここ数年は物価高騰や人件費増もあり、このままでは経営的にまずいなと感じていました。

ただ、弊社の代表からは、料金を簡単に変えるのはどうなのか、という意見もあり、リピーターのお客様も多い中で、料金についてクレームが出てくるのではと思うと、料金を上げるのは少し怖さがありました。

ジャッジプライス導入を決めたきっかけを教えてください。

機械の力で勝手に料金を調整してくれる点が決め手でした。

稼働率も上がって、客単価も上がるなんて、「そんなうまい話あるのかい?」と、経営サイドも現場も半信半疑でした。
ただ料金を上げていかないと、売れば売るほど、忙しくはなるけど儲けが出ないという状況だったので、「まあやってみるか!」と導入に踏み切りました。最初は本当に期待していませんでしたね。

他社のツールとも比較検討はされましたか? 

ジャッジプライスを導入することを決めた後に、他社のツールも調べてみました。
しかし、正直、それほど違いはわからなかったですね。 もともと船井総研さんとは2021年に生産性向上のコンサルティングをお願いした時からお付き合いがあって、その後も求人や土産菓子の相談などでお世話になっていました。
ジャッジプライスなら船井総研さんのバックアップがある点も魅力だなと。本当に実績が上がるのかは、導入してみてから見極めればいいと思っていました(笑)

旅館での導入事例がない中での導入でしたが、不安はありましたか?

そこはあまりなかったですね。ダイナミックプライシングは航空業界などで導入されていることは知っていましたし、もちろん都内のホテルさんでもレベニューマネジメントをしているし、ある程度市場的にも認められてきているという認識でしたので、まあ旅館でもやってもいいんだろうなと思っていました。

実際にジャッジプライスを導入してみて

導入の際、現場やお客様の声に変化はありましたか? 

ジャッジプライスを導入して、今までに出したことのない料金を設定することにした箇所もあったので、お客様が本当にこれで満足して帰ってくれるのか?クレームは出ないのか?という不安はありました。

現在、導入して1年ほど経ちましたが、料金に関してクレームも一切ないですし、口コミ評価にも影響はないです。
リピーターの方たちも変わらず来てくださっていて、そのあたりも問題なく進んでいるので、お客様はみなさん満足して帰ってくださっているんだなと思います。

変化があったところでいえば、料金が上がったことで、スタッフ間で良い意味での緊張感が以前よりも出ていることかなと思います。

今までお客様の宿泊料金は、おそらくフロントスタッフしか知りませんでした。
ジャッジプライスを導入して、日々料金を上げていくことによって、「あそこのお客様1人4万円だからね」と自然と伝達が生まれていって、今までいただいていた金額よりも多くいただいているからこそ、より高いレベルのサービスを提供しようという意識が生まれて、みんなが単価を意識するようになりました。どこからともなく生まれた、ポジティブな変化ですね。

オペレーション面での変化を教えてください。

今までは4つの価格帯だったので、電話予約のお客様に対してのご案内もシンプルでしたが、ジャッジプライス導入後は価格パターンが増えたので、最初の頃は電話予約対応が少し混乱しました。

今は、電話予約受付時に部屋の名称をメモするなどの対応策もあるので、特に問題なく運用できています。

実績面での変化を教えてください。

昨年、一昨年と全国旅行支援やGOTOトラベルがある中ではありましたが、その数字をはるかに上回る、売上・稼働率を出すことができたのは、大きな変化でしたね。

実際に売上が上がったことだけが要因ではないですが、施設の改装や修繕に昔よりも力を入れられるようになった、という変化もあります。ただ、やはり物価高騰等もあるので、とりあえず黒字をキープできていますが、売上が上がった分が、まるまる黒になっているというわけではないので、そのあたりはこれからも向き合っていく必要はあると思います。

4パターンの料金設定のままだったら、下手したら売上トントンでも、経費でマイナスになって、最終的に赤字着地ということもあったかもしれません。タイミング的にはギリギリで導入に踏み切れたと思います。
改装や修繕については、スタッフからも料金に見合った部屋づくりをしなくてはという意識が生まれているので、「あそこのお部屋の壁紙傷ついてるよ」とこまめな報告が上がってくるようになり、客室の壁紙張替えや電気装飾関連も積極的に取り組んでいます。

ジャッジプライスの効果はいつ頃感じ始めましたか?

2022年12月24日にロボットを初めて起動させましたが、当然その直後の年末年始の予約はその時点でほぼ埋まっていたので、純粋に新しい料金パターンで予約が入ってきたのは2023年の2月3月分の日程でした。
ですので、だいたい導入3か月くらいで効果を実感しましたし、導入1か月時点で、このツールを使っていくことで効果が出そうだと感じましたね。

経営面で変化はありましたか?

来期の目標にしていた売上高を、早々に今期で達成することができました。
まさか今期で達成できるなんて思ってもいなかったので、むしろ来期の目標はどうしようという嬉しい悩みです。
今年も3月から新しい期がスタートしましたが、今月も来月も前年比はクリアできそうで、本当に順調です。 あとは、先行予約がとても増えました。
これは体感として感じていまして、今まで1か月分毎に1つのラックに入れていた予約通知の用紙が、取り出しづらくなるラックもあり、具体的な数字は取ってないのですが、リードタイムが長くなっているのを実感します。今まであまり入ってきていなかった3か月先の予約もかなり入ってきています。

外部環境の変化が特に激しい時期での導入開始でしたが、ジャッジプライスとの向き合い方や活用方法で意識したことはありましたか?

コロナ禍をどう評価していいのかは難しいですよね。
2019年の売上と比べる等いろいろなやり方があるかと思いますが、当館に限っては、全国旅行支援やGOTOトラベルの裏年で間違いなく、今年の売上は下がるだろうなという認識でいたんです。そこを考慮して売上目標を立てましたが、まさか最高売上が出るとは!裏年でこれ?と驚きました。なので、外部環境は関係ないかなという気がしますね。

導入検討時と導入後でのギャップはありましたか?

ダイナミックプライシング自体を信用していなかったというよりは、本当にこれで稼働が上がるのか、と半信半疑だったという部分で(笑)
稼働が上がったとしても安いランクで予約が入ったら結局、単価は下がるんじゃないか?と思ってもいたのですが、実際はよくできた仕組みで、稼働率に応じてランクが上がっていくので、疑っていたけど結果、大成功でした!
導入して一年経って、いろいろとテストや実験をしてみたりもしています。設定料金次第でお客様の動きはこう変わるんだなと、気づくことも多いですね。

ジャッジプライスのようなDXのツールを入れることに関してはポジティブな社風ですか?それとも躊躇しやすい社風ですか?

ポジティブといえばポジティブかと思います。
ただ、アナログが良い部分もあるので、それはそのまま残しつつ、デジタルを活用できるところは活用していくという感じでやっています。

アナログなところは、お客様に関する情報の共有です。
チェックイン前のものから、チェックイン後に仲居さんがお部屋に案内した際のご様子、お食事の時の会話、お子様のお名前、朝になって「今日どこに行かれるんだって」というような一連の内容を1枚の紙に記載して、色付け等してボードに貼って共有しています。パッと見で判断できるのが良い点なので、これはアナログで対応しています。

デジタルのほうは、飲み物の発注です。
飲み物の発注から会計までがアナログなので、そこはデジタル化したくて、システムを導入する予定です。関わる人が増えれば増えるほどミスが増えるので、こういうところはデジタル化していきたいですね。
あと、弊社は旅館だけではなく、他の事業所やグループ会社もありますので、社内ではチャットワークやスプレッドシートを使用してやりとりをしています。

どのような施設にジャッジプライスをおすすめしたいですか?

当館くらい(38室)の中規模や大規模施設は、導入したほうが売上は上がると思います。
あとは、ある程度コンスタントに集客ができて、インターネット集客に力を入れているところや特化しているところはジャッジプライスの効果を実感しやすいのではないかと。
当館は15年くらい前からインターネット集客に注力していましたが、実際にそれが実ってきたのはお客様がインターネットに慣れ、スマホで簡単に予約できるようになった頃です。
そこから楽天さんで賞をとれるようになり、エンブレムが1つ増えるとインターネット集客が楽になってきて、何年か前からはネット予約率がだいたい7割、多いと8割ほどです。
それをふつうの料金で売るか、レベニューマネジメントをした価格で売るかは違いがあると思います。
もちろんジャッジプライスの力だけで稼働や売上が上がったわけではありませんが、本当に助かっています。その一言につきます!

改善要望があれば教えてください。

ロボットが稼働率に応じて、指定した料金ランク内で価格を反映してくれますが、現状自分が判断しているシーズナリティを跨いだ料金ランクの調整も自動でできたらありがたいですね。

今後の施設の目標や目指したい姿があれば教えてください。

「地域の観光業でのリーディングカンパニーを目指す」という弊社の代表のビジョンがありまして、実際にここ数年はそのビジョンにかなり近づいているなと思っています。
ただ、そこで満足せず、引き続きそのビジョンを目指していこうと考えています。
具体的には、従業員がいきいき働ける、そして経営も安定している。経営を安定させるためには口コミや満足度を上げて、コンスタントに売上を上げていきたいです。
旅館単体でいえば、昨年は売上6億を達成できたので6億を切らないように頑張ります!


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