宿泊業

インフレ時において、●●●を持つ企業が生き残る(2)

Author
船井総合研究所

前回は、日本でもインフレの波がやってきて
その際に重要なのは「価格主導権」だというお話を
させていただきました。

今回はその続編です。

効果的な値上げをする3つのポイント

インフレになると、様々なコストが上がってきます。

そのコストを価格に転嫁できず、
自社で吸収しようとすると利益が減ってしまいます。

それを避けるためには、値上げする必要があるのですが、
うまく実現しないとお客様が逃げてしまう可能性があります。

効果的な値上げをするポイントは以下の3点です。

(1)価格を一律に上げない

「これまでなんとか努力してきましたが、
原材料の値上げにより、価格を〇〇〇円値上げします!」
というような案内を目にします。

このように価格を一律で上げてしまうと、
値上げのインパクトも大きくなり、
消費行動に悪影響を及ぼす可能性があります。

(2)ダイナミックプライシングを導入する

一律値上げをせずに、価格を上げていく方法としては、
ダイナミックプライシングの導入があります。

ダイナミックプライシングとは、
需要が強いときは価格が上がり、需要が弱いときは価格が下がる
変動価格制のことを言います。

宿泊業界でもある程度浸透した考えではありますが、
本当の意味で“ダイナミック”に価格を変動しているケースは多くありません。

シーズナリティによって、
この時期は稼働が見込めるから高めの価格に設定しよう、
というような取り組みはあったとしても、需要の変化に応じて
ダイナミックに価格を変動させているわけではありません。

ダイナミックプライシングを実践しようと思うと、
多くの価格パターンと頻繁な変更が必要になるので、
手作業でやろうと思うと大変です。

弊社が提供するレベニューマネジメント自動化ツール「ジャッジプライス」は
まさに自動でダイナミックプライシングを実現するツールですので、
ツールの活用も考えるとよいでしょう。

(3)競合を意識し過ぎない

競合を意識し過ぎると、価格を上げることができなくなります。

これはよくお伝えすることなのですが、
お客様は常に最低価格の宿に決めているわけではありません。

ある程度の予算内に収まっていれば、
最低価格でなくても予約してくれます。

競合の価格を意識し過ぎると、
いつまで経っても価格を上げることができなくなります。

ぜひこの値上げのタイミングで競合を必要以上に意識するのは
やめてみてはいかがでしょうか。

以上が効果的に値上げを実現する方法でした。

ぜひこれから本格的に到来するインフレに備え、
先手を打ち、利益を確保してください。