2024年になり、早くも3ヵ月が経ちました。
全国旅行支援以降、盛り上がりを見せている宿泊業ですが、今も尚、その盛り上がりは衰えることを知らず、好調な実績を出し続けている施設も多いかと思います。
その盛り上がりに伴い、人手不足は一時的なものではなく、長期的に向き合っていかなければならない問題となっております。
人手不足の要因の一つとして、離職率の高さが挙げられます。
昨年12月21日に厚生労働省が発表した「産業別入職率・離職率(令和5年上半期)」によると、
【宿泊業、飲食サービス業】は、離職率14.8%で、全産業の中でワースト2位となっております。
※生活関連サービス=クリーニングショップ、理髪店、美容室、エステティックサロン等娯楽業=映画館、劇団、競輪場、バッティングセンター、パチンコ店等
宿泊業、飲食サービス業の離職率は、現状非常に高いことがわかります。
そこで、お客様満足度(口コミ)の影響が高い宿泊業ですが、最近では、離職防止のため従業員満足度を上げる動きが高まってきております。
今いる従業員を満足させなければ、退職は続いてしまいますし、従業員のスキルは維持できず、結果的にお客様へのサービスの質や満足度も保つことが出来ません。
従業員満足度を上げる施策は様々あるかと思いますが、難易度が高いと時間もかかり挫折してしまいますので、まずは、従業員の平均賃金を上げることから始めてください。
もうすでに上げているよというお声もあるかと思いますが、昨年11月28日に厚生労働省が発表した、「賃金引上げ等の実態に関する調査」の「賃金の改定の実施状況,、企業の割合(令和5年)」によると、【宿泊業、飲食サービス業】で、平均賃金を引き上げた企業割合は78.5%で、こちらも全産業の中でワースト2位となっております。
一方、平均賃金を下げた企業割合を見ると、【宿泊業、飲食サービス業】は1.1%で、こちらは全産業の中でワースト1位です。
賃上げの動きは、宿泊業全体ではまだまだ遅れをとっております。固定費も上がって大変かと思いますが、従業員にしっかりと還元することで従業員満足度に繋がります。
今回、3つのデータをご紹介させていただきましたが、全てワースト3に入っているのは、【宿泊業、飲食サービス業】のみです。
これは、もちろん様々な要因はありますが、まだまだ従業員への還元意識が低いということも一因としてあるでしょう。
「うちは賃上げできる経営状況じゃない」というお声も多くあります。
ただ多くの宿泊業の方が賃上げをする動きをできていないからこそ、今がチャンスです。
他の施設がやっていないからやらないのではなく、率先して従業員満足度を上げる活動をすることで、自社の「選ばれる理由・魅力」となります。
従来の日本では、働き手が多く、多少辞めてしまっても支障が少なかったため、「従業員を満足させること」は軽視されてきました。ですが残念ながら日本の働き手はどんどん減っていきます。
大切な従業員を他へ流出させないために、「賃金アップ」をはじめとする従業員満足度を上げる活動をしていきましょう。
昨今は、賃金アップに関わる補助金等も公表されているため、自社だけでなく周辺のサポートを受けながら、対策していくことも可能です。
宿泊業で働く皆様が、長く安心して働けるような業界を一緒に目指していければと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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