全国各地の宿泊業の方とお話をすると、
「売れ残るぐらいなら安くしてでも満室近くにしたい」
「稼働率100%に少しでも近づけるために、直前で大幅な値下げをする」
という声をお聞きします。
売り切った方が、売上が上がることはわかります。
しかし、人手不足の施設も多い今、客室を売り切ることが果たして正解でしょうか?
限られた人員体制の中で以前のようなおもてなしをするには限界があります。
実際に、満室まで売り切ることを目標に運営されている施設では、
「清掃が行き届いていない」「忙しいのはわかるが対応が遅い」等
サービスの質についての口コミが増えました。
極限状態の稼働率90%より少し余裕のある稼働率80%の方が従業員一人一人の負担が軽減され、
サービスの質を維持できます。
負担を軽減することは、従業員の離職防止にも繋がります。
満室にするために、価格だけでなく、サービスの質・お客様満足度まで落としてしまっていませんか?
そして、今働いてくださっている従業員まで失ってしまっては、大変悲しいことです。
それを防ぐための方法として、下記2つの対策が有効です。
①施設価値アップ
稼働率を上げたいのであれば、価格を下げるのではなく、
「泊まりたい」と思っていただけるように施設の価値を上げる取り組みをすべきです。
施設の価値を上げるには、客室や設備の改装、料理やサービスの見直し等、多岐にわたる改善が必要です。
ですので、部門横断のプロジェクトチームを発足し、どんなことがお客様に喜んでいただけるのか、
チーム内で意見を出し合いながら、価値アップに取り組まれている施設もあります。
②適切なレベニューマネジメント
満室まで売り切らずとも、しっかりと利益を上げるには、
適切なタイミングで、適切な値上げをする、というレベニューマネジメントが必要です。
実際に、毎日の客室在庫の変化を見てレベニューマネジメントを行ない始めた施設では
設備など以前と同じままで、利益を伸ばすことができ、
全国旅行支援中には、2019年対比で8%~18%上回る成果を残しております。
担当の方からは、固定料金や、直前の安売りを行なっていては
ここまで利益を上げることはできなかったとお聞きしました。
人手不足対策やサービス向上のためにも、売り切らずにいかに利益を伸ばしていくか、
という戦略部分が、コロナ禍を経た今より重要となってくるでしょう。
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