こんにちは。
船井総合研究所の藤田でございます。
今回は、宿泊の夏のピークを迎えるにあたり、顧客満足度を上げるための準備のポイントをお伝えしてまいります。
CS推進のポイントとは?
CS推進を考えるときに、極めて単純な法則があります。
ご存知の方も、当たり前すぎて無意識に実践している方もいらっしゃるかもしれません。
それは、事前期待の法則です。
1.事前期待 > 実際 = 不満(コンプレイン発生)
2.事前期待 = 実際 = 普通事(印象に残らない)
3.事前期待 < 実際 = 満足・感動(リピート要因)
つまり、ここでのポイントは「事前期待」を超えられるかどうかです。
特に、夏の旅行でご利用になるお客様は「ハレの日」利用が主になることから、この「事前期待」が普段よりも上がっていることが多いのです。
ハレの日利用の場合、お客様の事前期待と実際の体験が同じであれば、満足されない可能性が高いと言えます。
事前期待を超えるための4つの要素とは?
それでは、実際に「事前期待」を超えるためには何をしていったらよいのでしょうか。
下の図のように、この中には
1.形 / 2.心 / 3.知識 / 4.理念 の4つが含まれています。
これらの重なった部分が、「事前期待」を超える、すなわちCS向上の肝となる部分です。
ここから、ひとつずつ解説していきましょう。
1.形
こちらは、皆さまが普段から教育を徹底されている部分ではないかと思います。
例えば、笑顔や立ち居振る舞いなど、お客様の目に見える「型」の部分です。
この徹底には、反復練習と実践のツールが必要です。
毎日自分のものになるまで何度も練習すること、そしてそれをチームとして取り組んでいくことが重要です。
2.心
こちらは、「型」をお客様に伝えるためのコミュニケーション力や、相手に寄り添う力を育むための、共感力・傾聴力・感性等が挙げられます。
お客様を思う心、お客様の気持ちを想像する力は、宿泊業に従事する皆さまには多く備わっているのではないかと思います。
その心や気持ちを、相手に伝わる形、すなわち言葉そのもので示すこと、それが重要なポイントです。
3.知識
知識については言うまでもありません。
お客様はスタッフ一人ひとりを「接客のプロ」と見ています。
そのため、何を聞かれてもすぐお答えできるよう、館内知識・業務知識のみならず、周辺知識・観光知識等を頭に入れ、すぐに説明ができるように準備が必要です。
新しく採用したスタッフや経験の浅いスタッフに対しても同じことが期待されます。
ピークを迎える前に、ツールとして整えておくことが重要です。
また、業務を効率化し、多くの時間をお客様に費やすことができるよう、社内のシステムを使いこなすことも極めて重要なポイントです。
4.理念
こちらについては意外な要素だと思われる方もいらっしゃるかもしれません。
理念というのは、企業が何のために存在しているのかを端的な言葉で示したものです。
この理念に従って、行動指針やクレドが定められている企業様もあるでしょう。
肝心なことは、行動指針やクレドは唱和するためにあるものではなく、スタッフ一人ひとりが常に理念を理解し、頭に入れておくためにあるものだということです。
お客様のためを思って行う行動は、非常に属人的で、ムラがあるものです。
それぞれの個性が出てもよい部分ではありますが、その行動の軸や方向性が、企業として目指しているものと大きく異なってしまうと、スタッフによって対応の仕方が違うということに繋がるのです。
スタッフ一人ひとりが理念を理解し、それを軸に行動することが、下限品質の向上および均質化に繋がるとともに、チームワークの向上にも繋がっていくと言えるでしょう。
効率化と満足度向上の関係性
さて、皆さまの中でも、人件費や工数の削減に課題をお持ちの方が多くいらっしゃると思います。
AI・DX化等、昨今の風潮の中で、緩急をつけたオートメーション化をお勧めします。
例えば、レベニューマネジメント等、ロボットに任せた方がヒューマンエラーや無駄を防げるものなどは、積極的にオートメーションの導入を検討する価値があります。
宿泊施設での売上向上のためには、効率よく予約をとることが重要ですが、その多くの役割を自動化することができます。
これは、お客様にとってもストレスなく予約が取れるということにも繋がるでしょう。
オートメーション化によって生まれた時間は、お客様とのより深い繋がりに費やすことができるのです。
そのために必要な条件が、「事前期待を超えるための4つの要素」に集約されています。
まとめにかえて
さて、これまで、CS推進のポイントや効率化との位置関係について述べてきました。
これまでのポイントを表したものが下の図です。
効率よく予約を取ることや、お客様からのご質問に応えることは、お客様にとっては前提条件、すなわち事前期待通りの体験です。
次もこの土地に来るならばこのホテル・旅館に泊まりたいと思っていただくためには、お客様の不満を事前に察知し解消すること、そして幅広いご要望にお応えし、満足度を上げることが重要です。
この2つの条件を満たすための架け橋となるのが、お客様の気持ちを想像し、共感や寄り添いをお客様に伝わる形で示すことです。
そのための方法が、前述した「形」と「心」に集約されます。
お客様と従業員の笑顔のために、要素一つひとつを習得する教育体制を整えていきましょう。
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