宿泊業

小諸倉庫 株式会社様 ジャッジプライス導入のお声

今回取材させていただいたのは、長野県に本社を置き、ホテルナガノアベニューでジャッジプライスを導入いただいている小諸倉庫 株式会社様です。
常務取締役の玉井様とマネージャーの岩本様に、ジャッジプライス導入の経緯と、実際に導入されてみての変化を伺いました。

INTERVIEWEE
常務取締役 玉井 俊郎様
マネージャー 岩本 敏和様

ジャッジプライス導入の経緯

ジャッジプライス導入前はどのようにレベニューマネジメントをされていましたか?

玉井様

以前は、他社の需要予測システムを使っていました。
エクセルベースで自分たちが手入力をする必要のあるシステムで、
導入初年度は、コンサル契約もしており、毎週月曜日に2ホテル合同でレベニューの結果についての反省会を行っていました。
ただ、我々のスタッフは夜勤もあり、月曜日の決まった時間に全員集まるというのがシフト作成する上でも難しく……。
最初は支配人も参加していましたが、スケジュールが合わなくなり、最終的には担当者が1~2人での参加となってしまいました。
翌年はコンサルなしでツールのみ使用していましたが、やはり手入力する必要があるシステムなので、運用がとても大変でした。

コンサルとシステム費用は概算でどのくらいかかっていましたか?

玉井様

弊社は2施設運営しておりまして、2施設で100万円以上がランニングコストとしてかかっていて、それとは別で初期費用もかかりました。
全体的にかなり費用がかかったのですが、改装オープンの際、PMSのメーカーを変更したため、需要予測システムに入力する過去データを引き継ぐことができなくなってしまい、とても困りました。
仕方ないのでなんとか運用していましたが、その後、コロナ禍に突入したので、成果が出たのかどうかわからないまま、結局解約してしまいました。
ただこのシステムを使用する過程で、レベニューマネジメントに関する様々なノウハウを教えていただきましたので、勉強は大いにできたと思います。

最初ジャッジプライスに期待していたことはありましたか?

玉井様

現在、レベニューマネジメントを担当している岩本さんの仕事量や負担が減ればいいなと思っていました。弊社の代表はAI等での機械化や自動化が今後どんどん進んでいくだろうという考えを持っていたので、RPAを使うジャッジプライスの提案をしたところ、「すぐにやりましょう」ということになりました。
仮に効果が出なくても、だめならやめればいいと思っていたので、売り上げについては大幅に上がるのを期待するというより、それなりの売り上げを確保し、業務の軽減を多少でも推進できればいいかなと思っていました。

売上アップまでは期待できないけど、工数の負担が減れば良い、という感じですか?

玉井様

そうですね。
もともと岩本さんが需要予測システムを使用してレベニューマネジメントをしておりまして、それを次の世代に引き継ぐ際に、お互いに通常業務を抱えながら、システムの使用方法を伝えたり、レベニューマネジメントやダイナミックプライシングの勉強をしたり、というのは難しいと感じていました。

その点、ジャッジプライスは、使用する上で高度なレベニュースキルや勉強を必要としないので、引継ぎ・育成という面でも運用しやすそうだと思いました。

需要予測システムを使われてた時の作業時間、かかっていた工数はどのくらいでしたか?

岩本様

作業時間は、1日にならすと1時間~2時間くらいかけていたイメージです。夜勤シフトの中で作業を行うので、実際には2日に1回、まとめて時間を取ってやっていました。

他社のツールとも比較検討はされましたか?

玉井様

弊社は同じ地域内に2施設所有しているので、1施設はジャッジプライス、もう1施設は他社のAIシステムを使用し比較することにしました。
AI以外の別会社のシステムの話も聞いたりしましたが、エクセルをツール化して毎日そこに何時間もかけて数値を入力し構築していくというようなものだったので、自社の課題にはマッチしないと感じたので導入は見送りました。

ジャッジプライス導入を決めたきっかけを教えてください。

玉井様

以前から、人手不足解消のために、ロボットで自動化できる業務は自動化したい、という思いがありました。
レベニューマネジメントに関しても、自動でできるツールがないか探していましたが、日々入力が必要だったり、人が判断して調整するような、半自動化のようなツールが多く、なかなか「これだ!」というツールが見つかりませんでした。

そんな時に、展示会でジャッジプライスのセミナーを聞いて「お!これはおもしろい!」と思いました!RPAについてはよく知らなかったのですが、講師の方と名刺交換をして、すぐにアポとって御社の東京本社にお邪魔したのがきっかけです。 ただ、他社を見ずに自分の施設の稼働率だけを見て売上が上がるかどうかは正直、不安な部分もありました。

競合を見ずに実績が上がるかは不安だったけど、やっぱり自動化できる部分がいい、というのが決め手ですか?

玉井様

そうですね。
宿泊業界は常に人手不足の状態が深刻で、その要因はホテル業界に魅力がないからだ、と話す大学教授もいらっしゃいます。給与が安く、休みが少ない、夜勤もあるという部分がありますからね。その背景を考えると、なるべく人でなくても良い業務は自動化したい、というのが弊社の方針です。

経営方針の中でも、自動化は一丁目一番地だと思っています。
フロント業務の中では、自動チェックイン機も導入しました。
新幹線や飛行機も人手をかけずに自動化しているので、ホテルも同じだと思っています。
将来的には客室のアサインなんかも含めて、オートメーション化すると考えています。そうすると個人的にはレベニューマネジメントに人手を割くのはナンセンスではないかと。

自動チェックイン機以外に既に自動化、効率化している箇所はありますか?

玉井様

様々な業務を自動化していく中でも、客室清掃だけはやはり人の手が必要なので、できる限り効率化しようと思い、2点実施しました。

1つは客室にアメニティを置かずに、すべてロビーでお好きなものを選んで取っていただくスタイルに変更したこと。

2つ目は掃除機をコードレスに買い換えて、コンセントを差し直す際の移動量を減らして、清掃業務の効率化を行ったことです。

フロント業務では、キャッシュレス化を進めてデジタル化を図りましたが、旅行支援施策やキャンペーンの影響で、電話での問い合わせや予約が増え、想定していたよりも効率化できずの状況にあります。

ジャッジプライスを導入いただいているホテルナガノアベニュー

実際にジャッジプライスを導入してみて

経営面や実績面での変化を教えてください。

玉井様

コロナ禍で、この数年需要が大きく増減する中で、支援施策が実施されましたので、今の状態が特需としてとらえ、通常の状態かは判断が難しいですが、おかげさまで昨年度の売上はそれなりに確保させていただきました。
その前の2年間は真っ赤の赤字でしたが、昨年は単年度で黒字になりました。

岩本様

コロナ禍で比較が難しいですが、2019年比でADRやRevPARはUPしています。そういう面では入れてよかったと思っています。

現場やお客様の声に変化はありましたか?

岩本様

お客様の声は特にありません。
ただ、今まで人力でやっていた時には上限をセーブしていましたが、それがなくなったので、「高い」と思われていないかなと少し不安です。笑
そうは言っても、エリア全体の値段が上がっているので、実際にお客様から「高い」というお声はあがっていません。
全国旅行支援が終了した後が本番かなと思っています。

今までの感覚と比較してどのくらい上がった印象ですか?

岩本様

全国旅行支援の影響もあるので3,000円~5,000円くらいでしょうか。
駅前エリアで、平日シングル10,000円を超えることはそれほどありませんでしたが、それが12,000円、13,000円くらいになっているので、5,000円くらい上がっている印象です。

価格テーブルを作成した際、これまでより高めの金額で設定しましたが、不安や恐怖心はありましたか?

岩本様

稼働が8割を超えたくらいから、自分が過去につけたことのない価格だったので、大丈夫かな?と思っていました。
実際動かしてみると、全国旅行支援の影響もあり、今のところ何の問題もないです。

オペレーション面での変化を教えてください。

岩本様

だいぶありました。
導入前は、エリアの動向を見て、それから自社の稼働状況を見て、上げられるところは上げる、という作業を部屋タイプごとにいつも行っていました。
その操作を行う必要がなくなって、料金ランクが上がっている日程で、他社ホテルとの差額が問題ない範囲かどうかを確認するくらいになったので、作業量は本当に5分~10分くらいまで短縮されましたね。

玉井様

大幅に楽になったと思います。

ジャッジプライスのランクはどのくらいの頻度でチェックをしていますか?

岩本様

毎日はしていないですね。2週間に1回か、10日に1回くらいで、たまに見るくらいです。
明らかにこの日程は変更しなくては、という時くらいしか見ていないですね。

導入検討時との導入後でのギャップはありましたか?

岩本様

最初の価格登録の作業ボリュームが、大変でしたね…。

導入前に期待していた、「作業が楽になりそう」「他社を見なくてよい」という部分はどうですか?

岩本様

やはり競合の状況は気になるので、シーズナリティ操作には活用しますが、前ほど依存した設定はしないようになりました。
競合の価格を自社の価格設定の軸に置くと、工数もそれなりにかかってしまうので、そこの負担は減りました。

ジャッジプライスは半年先までを毎日自動でランク調整していきますが、それに対してはいかがですか?

岩本様

今まではイベントや特需の日をこちらで把握しきれない時に、機会損失が発生してしまっていましたが、自動で毎日ランク変更されていることで、ある程度防げるようになり、安心感があります。

以前は早割プランも数量限定で販売していましたが、今は実質、稼働率が低い時期が早割として販売している形になるので、在庫管理をしなくてよくなったのも楽で良いです。
やはり、いちばんはイベントですね。

イベント情報は今までどう察知していましたか?

岩本様

自分も含め、従業員全員がアンテナを張っているわけではないので、「この日は若い人からの電話が多いな」とか、「やけにこの日だけネット予約が入ってくるな」という感じでしか、把握できていませんでした。
どうしてもファンの人のほうが一般より情報が早いので、情報をすべて拾うことは難しく、チャンスを逃してしまうこともありますが、稼働率に応じて少しでも調整できれば、以前ほどの損失は出ないので、助かっています。

改善要望があれば教えてください。

岩本様

今は、1つの専用PC端末で動作・管理をしているので、複数端末で運用できれば、仮に故障した時も対応ができますし、出張の時も操作ができるので、複数で操作できれば便利かなと思います。

玉井様

そうですね、改善要望というか、ぜひ、ホテル業界の地位向上を目指していただきたいです!

今、リモートワークやリモート会議が一般的になって、ビジネスマンが出張でホテルに泊まる機会も減り、企業も出張費にお金を出さなくなってきている部分があると思います。そうなると、宿泊業界は価格競争が激しくなりますし、人手不足も悪化していきます。
弊社では、ADRや生産性を上げていくという方針を取っていますし、エリア全体を見ても価格競争になりにくいエリアだと思いますが、まだ稼働重視の低価格競争をしている地域も存在します。

ホテル業界は保守的な部分があるので、新しいことを始めるのは少し大変ですが、やりたくない理由ではなく、できる方法を探して、新しいことに取り組んで、業務効率化を進めることで、お客様には安心してくつろげるようなお部屋とサービスを提供し、従業員に対しては、無駄な仕事は増やさず、所得を増やしていければ、宿泊業界はもっと魅力的になるのではないかと思います。

ジャッジプライスでは、ADR・RevPAR・生産性アップをぜひ謳っていっていただけたらと思います。